Melancholiaの日記

日々の愁情を綴ります

Doctor

 

 

気温の形而下的な変化が,旅立ちの日への時を刻んでいます.

 

 

 

この中途半端な時期は,自分が選択した道の正当性を

夜になると考えずにはいられなくなります.

 

善悪の彼岸”に「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」

という言葉がありますが,私はこの2年間で学問に於ける深淵を

少しだけ垣間見た気がします.

しかし,その奥深くへ辿り着くことはきっと私にはできないのではないか.

不安定で朧げな道を自分の力で歩ききれるのだろうか.

縹渺とした無限感に襲われながら,志半ばにして倒れてしまうのではないか.

加えて,圧倒的な才能達も身近に存在していました.

これら不安に打ち勝てず,私は博士課程へは進めませんでした.

勿論,金銭的な理由もあります.

 

学会でお世話になったT大学のY先生が,夜のバーで仰っていました.

博士号は,先人達が築いてきた知という巨人の肩に一石を投じた

奴だけが貰える名誉ある称号だ

と,この時私は既に就職の道を決断していたが

何かの縁で社会に出た後に博士を取る際には

この言葉を肝に銘じて,研究に励もうと誓いました.

 

唯,この日は研究発表の前日であるにも関わらず,深夜2時過ぎまで

先生の有り難い御話を頂戴させていただきました.

許せないのは,発表がないにも関わらず帰った他の学生達です.

お前らは出世しないぞ馬鹿ちん

翌日朝一での発表があった私は

スライドの説明の際に呂律が回らず,「この図が」という言葉を

うまく発することができませんでした.

まあ会場は沸いていたようなので良しとしましょう.

 

Y先生はと言うと,朝からピシっとしていましたね.

頭が下がります.

 

 

 

話は戻って,私の回りには,次のような理由で博士課程に進む人がいます

「就職が面倒くさいから」

「就職できなかったから」

「とりあえず」

 

本当にやめて下さい.

その無駄なお金を恵まれない人達に寄付して下さい.

日本の恥です.

ゴミクズです.

しっかり自覚して下さい.

 

 

 

 

 

そういえば一昨日イタリアから帰国しました.

今回はなんと事件に巻き込まれました.

詳細は次書こう.